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フューネラルⅣ
明くる日のこと
真昼の光が影を差す
足元から伸びた暗闇が
後ろを追い越していく
その先にある場所に向かって
鎖の音が静かに訪れを告げた
立ち並ぶ燈籠は路を照らす
それは迷うことなく
ここが帰る場所であるように
その明かりが道しるべ
辺りに漂う線香の香り
境を隠すように
響く音 向かう音
すれ違う影はほほ笑む
扉は開いたまま 閉まることもなく
あの日から問いかける
目の前に佇む墓標
無名に黙祷を
祈りを込めて
聞こえない声を聞く
永遠に答えのない問いを
共に探して行こう
暗闇に祈る
深淵に問い続ける
今はただ
君のために探そう




