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フューネラルⅢ
残された悲しみは
誰かと分かち合えるのだろうか
そんな疑問が過る
囲炉裏の匂いは霧となり
やがて脳裏を覆っては消える
人の思いがある
獣の思いがある
それは区別なく
生きるもの全てに存在している
それでは果たしてそれは
全て同じ思いなのだろうか?
灰になる骸を抱いて
空に消える骸を抱いて
共に何れはなくなるもの
死と言う答えがある以上は
全て同じはずなのだ
人は言う
死とは尊ぶものであると
獣は言う
死とはありふれたことだと
それでは死とは一体
何が正解なのだろうか?
明くる朝に祈る
この問いに答えを
この祈りに終わりを
有明の空はまるで
終わりを告げる光だった




