表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
448/660

百鬼は列をなさず

 

今はもう昔の話で

暗闇から覗いていた妖怪たちも

ついには日の目を見るようになった


博覧会のようにあふれでた異形たち

その姿形にて本を作る

鮮明に描かれた妖怪たちは

まるで百鬼夜行のごとく

見るものを圧倒する


しかしそこには静しかない

動かない行列 切ればただの絵画に

妖怪は名前というラベルを貼られて

その意味をなくしていった


群れなす百鬼夜行に意味は在らず

ただ烏合の衆となす

姿形も目的も消費されるだけのもの

そこに暗闇から覗いていた妖怪いない

そこにいるのは吊るされた影法師


泡沫に消えていた方がまだいいか

姿を隠すもののけたち

それを掘り返す絵画たち

逃げる場所もなく叫ぶこともなく

百鬼は列をなさず

ただのツールと成り下がる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ