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フューネラルⅡ

 

骸をしまう 白煙が空に昇る

燃える火は朱く 命の終を告げる

吹き抜ける北風が何かをさらう

口からこぼれた吐息

頬からこぼれた冷たいものを溶かす


また置いてきぼりだ 友の残滓を見つめて

思い返す遥か彼方 一つの物語

きっともう彼奴は覚えてないことも

約束も忘れたんだろう? そっと呟いた


死ねないものと死にいくもの

不老不死とはなんと臆病なものだと

俺は俺自身を笑った

笑顔で見送ることもできず

ただ白煙を見上げるだけ

ああ、死とは無縁だと思っていたのに


形もなく消えていった

異形とはそういうものなのか

残るものはなく記憶だけ残る

風が煙さえもかき消して

静寂が死を迎えるように


こうして見送る度に思う

異形にとっての死とは何か

何も残らないことか

なんとも現実とは残酷だと

同じ命の秤にさえ乗せてもらえない

ああ、死とはなんとも歪だろう


火を灯す 灰色の煙が空を行く

もしもこの火さえ命ならば

ただそれでも俺は目をつむる

暗闇に祈るのだ 穏やかな死であるように

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