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真昼の明かり
もう外は明るく
町は人の声であふれている
寒さをもろともせずに
華やかな衣装と共に路を行く
見慣れた光景 けれども年に一度の
世界はまた新しい日を迎えたらしい
白い吐息は青空に消えて
昼下がりを告げる鐘が響く
かじかむ手を温めて
通り過ぎる影にふれた
おはようは既にこんにちは
昼下がりの街道は
いつにもまして賑やかだ
子どもも大人もみんな手をつないで
光の中に入っていく
私の足元 伸びた影は
「君も行かなくていいのかい?」
私の行く路を示してくれる
何も変わらない中で少し変わったこと
今日くらいは気楽に行こうよ
「私も行くよ」 足を向けた先
光はもう満ちていた




