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無名の死
無名に終わる
全ては意味もなく
ただ暗闇の中に果てる
見る者も存在せず
振り返る者もいない
轍は土にかき消される
全ては虚ろの中に閉じていく
誰か私を見てくれる者はいないのか?
いるはずもなく 叫びは誰にも届かない
手につかんだ孤独だけが
私の渇きを潤してくれる
ああ、誰かと掴もうとした虚空に
青々とした世界が映り込む
真逆の景色が頭上を過ぎ去る
雲はただ流れるように 風は過ぎ去るように
そこには何も残らずに消えていく
私の人生とは何者だったのか
答えは出ずとも そこに意味はなく
ただ無名に終わる
ここに墓標を立てて 白煙に昇る




