Grave of flower language.7."Grave of a journey."
君はいつも夜空を見上げる
星の迷路をなぞってゴールを探す
その指先で夢を描いて
それでも君はたどり着けない
君は最後にそっと手を下ろした
小鳥のさえずりが響く
揺れる木々が夜明けを告げる
窓辺から光が降り注ぐ
テーブルに置かれたコーヒーはもう冷めて
誰もいない椅子が揺れている
夢が覚めて私はここにいる
君は今どこにいるのだろうか
月夜の下で出会ったあの日から
朝日差し込むこの日まで
はたして君はどこにいたのだろうか
墓標に花が咲く
スターチスの花束を
君の名前はここにあるのに
君はここにいない
どこへ行ったのだろうか
私は空を見上げて目を閉じた
道を行く 君が歩いていた道を
その足跡をなぞるように
しかし君の影を追えない
君はいつしか私を追い抜いていた
旅の終わりに見つけたもの
君は何を見つけたのだろうか
私は何も見つけられなかった
かつて願ったことさえも
今もまだ叶っていない
影が問いかける
お前の選択は正しかったかいと
私は答えた
きっと間違えていたと
それでも後悔はないと
外套をしまい手袋を脱ぐ
擦り切れた黒い羽を風に乗せて
人の手の温もりを感じる
もう私は姿を消していた
残ったものは何だったろうか
私の歩いてきた旅路を振り返って
君は何を得たのだろうか
その答えはもう分からない
きっと君は教えてくれないから
夜空を見上げる コーヒーを二ついれて
あの日から何も変わっていないと
私はため息をついた
私たちの旅は何だったのか ぼんやりと考えながら
きっと答えのない旅だったのだと
指先で夜空をなぞった




