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Grave of flower language.4."Footprints are not aligned."

 

擦り切れた外套を一緒に羽織って

宵の道を歩き続ける

独り言が響いていたあの日

二人の言葉が響くこの日

私の隣にはあの日の少女が

一所懸命に歩幅を合わせようとしている


夜空を見上げて語る 星屑の迷路をなぞって

向こう側に行きたいと少女は目を輝かせて語るのだ

その横で私はほほ笑んだ

いつしか辿り着けるよと 少女の手を握って


悪魔は旅人に成り代わり 少女の夢を叶えるために進む

その願いが叶わないものだと知っていても

ただ一人のための旅に出る


さまよっていた私が影で笑う 君はそれで良かったのかいと

天使に焦がれた悪魔は夢を見て そして果てて地に堕ちた

それでも私は夢を追いかけていた それをここで捨てるのかいと

(むかし)が私に問いかける 偽善はいつもまでも続かない


あの日の夜 あの廃村で少女と出会った

そして彼女は私について行くのだと言った

おとぎ話をして その続きを見たいだと

彼女は小さな手で私の手を握った


これからどれだけの山を越えるのだろうか

安寧はきっと訪れない 続く苦慮を背負って進む

これからどれだけの町を通り過ぎて行くのだろう

安息はきっとない 続く苦辛を噛み締めて進んで行く


それでいいんだ そうでいい

私は(むかし)に行った だからこそ私は旅に出たのだと

さまようだけの旅ではなく これからは少女とと共に歩む旅を

私は選択したのだと影にほほ笑んだ


朝焼けの中 光に包まれる少女を見た

私はその姿を見て願ったのだ どうかこのままが永遠に続かないように

安らかな終わりを迎えられるようにと

私は目をつむって夢を見る

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