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空白の帰路
帰る道はなく
振り返る先もない
目の前に桜並木が続いている
積み重ねてきた季節に
花束を送ろう
出合い、別れ、岐路に立つ
もう道しるべはなく
桜の花びらが世界を彩る
懐かしき思い出は夢になり
空白が片目をおおう
まだ、世界の半分も見えていない
軌跡は続く
どこまでも消えることなく
雪に覆われようと
桜の花びらに埋もれようと
歩んできた過去は変わらない
両目をあけて岐路に立つ
桜吹雪はもう止んでいる
世界は再び空白に
ここからは君たちが
世界に色を塗る
ここはそのための帰路になる




