Proof of no value.
私の創作の根底にあるものは何か
それを探したときに私は
無価値であることに気が付いた
私の紡ぐ言葉に価値はない
誰かの為ではなく
無意識に呼吸をするように
路をひたすら歩くように
戯言を束ねて綴るだけだ
誰が読むのだろうか
誰が評価するのだろうか
何を思って何を得るのか
私には知る由もない
得るものなどありはしない
ただそこに私の書いた落書きがある
ただそれだけのことだ
伝記を書こうと思ったわけではない
これは誰にでも書けるものである
伝承を創ろうと思ったわけではない
これは誰にでも語れるものだ
故に私の創作とは無価値なのである
私は有象無象に埋もれることが嫌いだ
故に私の言葉は無価値に埋もれる
積み上げられた創作の残骸に火を灯そう
私の言葉を焚べよう
それはいずれ燃え尽きて
後には何も残らない
有象無象にすらなれない創作
それが私の原点である
しかし無価値であっても
意味がないわけではない
私の言葉は戯言の繋ぎ合わせだ
解れてば意図も容易く無に溶ける
しかしそれでもそこには意味がある
言葉の意味が
戯言の意味が
物語の意味が
そこにはあるはずなのだ
無価値であっても意味はある
言葉の継ぎ接ぎは新たな意味を作るのだ
それがどれほど無価値なものでも
確かに何かが生まれている
私の原点は無価値である
意味を積み重ねて残骸に火を灯す
その火が消えて忘却に沈むとき
自分自身の無価値の証明が成されると
私は信じている




