表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
399/661

Proof of no value.

 

私の創作の根底にあるものは何か

それを探したときに私は

無価値であることに気が付いた


私の紡ぐ言葉に価値はない

誰かの為ではなく

無意識に呼吸をするように

路をひたすら歩くように

戯言を束ねて綴るだけだ


誰が読むのだろうか

誰が評価するのだろうか

何を思って何を得るのか

私には知る由もない

得るものなどありはしない

ただそこに私の書いた落書きがある

ただそれだけのことだ


伝記を書こうと思ったわけではない

これは誰にでも書けるものである

伝承を創ろうと思ったわけではない

これは誰にでも語れるものだ

故に私の創作とは無価値なのである


私は有象無象に埋もれることが嫌いだ

故に私の言葉は無価値に埋もれる

積み上げられた創作の残骸に火を灯そう

私の言葉を焚べよう

それはいずれ燃え尽きて

後には何も残らない

有象無象にすらなれない創作

それが私の原点である


しかし無価値であっても

意味がないわけではない


私の言葉は戯言の繋ぎ合わせだ

解れてば意図も容易く無に溶ける

しかしそれでもそこには意味がある

言葉の意味が

戯言の意味が

物語の意味が

そこにはあるはずなのだ


無価値であっても意味はある

言葉の継ぎ接ぎは新たな意味を作るのだ

それがどれほど無価値なものでも

確かに何かが生まれている


私の原点は無価値である

意味を積み重ねて残骸に火を灯す

その火が消えて忘却に沈むとき

自分自身の無価値の証明が成されると

私は信じている


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ