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憎悪は愛に非ず
憎悪は愛に非ず
それは暗闇に染まった感情である
純白な物であろうと
瞬く間に黒色に染まる
それを憎悪と呼ばず
何と呼べるのだろうか
愛から生まれる憎悪がる
恋から生まれる憎悪がある
哀から生まれる憎悪がある
しかし辿り着くのは
真紅に手を塗らずだけの哀れな末路である
純粋などどという物はない
憎悪は抱いた瞬間に染みになるのである
黒い感情に纏われただ苦悩する
ああ、なんともまあ哀れで人間的であるか
これこそ人間が抱くべき感情であったはずだ
憎悪に美麗などない
汚れ歪んだ感情が渦巻くだけだ
それは愛に至らず
自己満足に辿り着く
憎悪は愛に非ず
憎悪の果てにあるのは滅び
退廃の中に沈み消える
人間たちの結末である




