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オレンジカラー
その背中は大きくて
ふれた手はまるで太陽のように
どこまでも目の前を照す
見失ったことなんてない
どこにいても見えていた
その明かりを掴もうと
私は手を伸ばしてはみるけれど
いつも茜色に溶け込んで
残照のように彼方に佇むんだ
どこかへ行ってしまう
あなたはいつもどこかへと
いつも私の前を去っていく
握りしめた約束も果たせぬまま
私もまたあなたとすれ違う
どこまで来たのだろう
太陽を追っていた私は光の下へ
後ろに伸びた影が茜色に差し掛かる
あなたはどこへ行ったのだろう
きっとあの茜色の向こう側に
約束を果たすために
黄色はやがて茜色に
そしてまた戻ってくる
あなたはまだ歩き続けている
私もまたその後ろをきっと
太陽の下を歩いている
まだすれ違うけれど
約束は必ず一つの場所へ
またあなたの背中にふれるために
私は背伸びをして
茜色の残照を追い続けよう




