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A few footsteps.

 

それは向こう側のことであっても

確かにここまで聞こえてきた音があった

始めは耳を傾けなければ聞こえないほど

小さくてかすかな音だった

耳を塞いでしまえばそれで途絶える

そんな音だった


いつからだったかな

僕はその音を聞くようになっていた

気がつけばいつも前から聞こえて来る

僕はその音を追って歩いていた


小さな音は段々と大きくなって

その度に音に近づいていた

軽い音 重い音

かすかな音は重なって

いつしか大きな音になっていた


その音が聞こえる方へ

僕は進んでいく

後を追うように

それは道しるべのようだった


やがて大きな音は小さくなっていく

前から聞こえていた音はいつしか後ろ側に

あふれていた音が少しずつ消えていく

いつしか音は遠くなって

気がつけばまた聞こえなくなっていた


今思えば幻想のように

それでも確かに聞こえていた音があった

それは僕に道を教えてくれた

小さくてかすかな音だった




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