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Gentle black.
目を閉じれば暗闇が訪れる
いつでも目にしてきたもの
ただ今は新鮮に感じる
何故だろう
太陽の光よりも暖かい
体を委ねて光を遮る
それはいつもの夢の入り口
でも今はどうかそのままで
この温もりを永遠に
いつでも私は見てきた
それは現実という抜け穴
それは虚構という壁
いつでも私の前には光が
道を照らし切っている
何か大きなことが起きたわけじゃない
転機を迎えたわけじゃない
ただ少しだけ自分に甘えたいんだ
だからこの夢現に溺れよう
そこは夢の入り口の前
ただ暗闇が漂う幻想の場所
現実も虚構もないこの場所で
私はただ沈んで行こう
どうか今だけは安らかに
この温もりを抱いて寝よう




