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幸の終
幸せはいつまで続くのだろうか
そう問いかけたとき
私は二度とないと答えた
目を閉じれば浮かぶ暗闇
その中で辿る幾多の光
一つ一つがあの日の記録
それはみな幸せに満ちていた
今はどうだろうか
あの頃と何か変わったか
同じ朝を迎えて
同じ昼を過ごし
同じ夜に眠る
なんだ
何も変わりはしないじゃないか
今ある幸せはきっと
昔の私が描いたものとは違う
ここまで来るために流した涙は忘れた
だからこそ私は違う形の幸せを
小さな幸せの中にいた
それが終わるのはいつのだろう
暗闇に浮かぶ光が消えて行く
すれ違う中で薄れて行く
いずれかはあの日さえ忘れてしまうだろう
後ろを振り返ったとき
何かが残っているのだろうか
幸せはいつ終わるのだろう
その問いに私は
それはきっと今なのだと




