表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
351/661

鬼の死

 

言葉は存在を担っていた

目に見えずとも人々の前に

それは荒御魂の如く

それは和御魂の如く

目に見えない存在はいつも

人々の歩幅に寄り添っていた


いつか姿を描きたものがいた

目に見えない存在を見たいと願った

それは言葉を形に変えたもの

人に有らぬその異形は

それでも人々の側に寄り添った


異形になろうとその存在は

変わらずに在り続けた

言葉を言わぬ存在は

ただ形で示し続けた


冬を越えたとき

誰かが絵が描いた

絵画の上で動く異形たち

彼らは言葉を知った

そして彼らは言葉を忘れた


歩みはなくなり人間だけが

足跡を残して進んでいった

異形はやがて消えていく

絵画の中で嘆きながら

ただ暗闇の中で闇を見続ける


誰がしたことだろうか

誰が成し得たことだろう

やがて異形は形を失った

意味さえ無くした存在は

静かに眠りについていく


もう彼らはここにいない

書物の暗闇の中で

かつてを語るだけ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ