34/667
空は暗く時間は明るい
昼というのにとても暗い
本来はついていないはずの明かりが
街を灯している
おかしい
誰しもがそう思うはずの風景
時計の針が指した正午
時計塔の音が鳴り響く
いつも通りの光景
それなのに
今は異様な光景
どうして月が昇っているんだい?
(そんなの知らないさ)
どうして空が暗いんだ?
(いつものことじゃないか)
誰も気にしない
誰も気づかない
この異常
これに気づいたの僕だけか
だとしたら僕は異端者か
見えないものが見えてしまうのか
そんなはずはない
僕は単なる人間
これに気づかない人間が
おかしいだけなんだ
時計塔の針は進む
空は変わらず暗いまま
なんなのだろうか
このいいようのない
空間は




