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我が竜なり
語るも虚ろの存在は睨む
遥か遠く玉座に座るもの
彼の者はただ語る
それはまだ世界が始まる前のこと
竜と神の争いが開闢を開く
竜は破れ神が玉座に座る
世界の理は故に神の気まぐれ
地を這う竜は空を見上げて
ただ憎悪の眼で睨む
幾星霜巡れど神は遥か上
翼をえた竜さえ届かない
全ては神の思うまま
やがて竜は憎悪の果てに人となる
翼を捨て地を歩き遥か上を睨み続ける
纏うのは憎悪 しかし意味は忘れた
長き果てにえたのは虚空の憎悪
神に対する怒りを忘れてただ睨む
古城の中 語るものはただ語る
壊れた玉座に座るもの ただ天を仰ぐ
忘れたのであれば思い出させればいい
竜は憎悪の意味を知っていた
立ち上がる先に神はいる
紅蓮を纏いて突き進む
反逆は今 伝説の終止符を
竜が人になり神に挑む神話を
今ここで終わらせよう
我が竜
突き立てた憎悪を胸に
神への反逆を始めよう




