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トウヒ

 

見上げた先に木漏れ日が

その隙間から降る(あめ)がささる

痛いなんていったところで

また痛みが増すだけだった


振り返った先に僕がいた

期待と不安の中で揺れている

それでも明日を見ていた

確かな足取りで意思を持って

前へと消えていく


今の僕はどっち付かずので

期待も不安もない

空っぽの足取りで後ろに下がって

ため息ばかりをついている


ここにいれば影ができる

その中に隠れていたい

それでも影は動いて僕が晒されて

また(あめ)にさらされる


逃げたい一心で逃げた先

それでもまた逃げようと

見るのはもう嫌だから

辿り着いたこの木の下

また僕を追い出そうと


僕に逃げる場所はない

やがて木漏れ日が(あめ)になる

目の前で浴びて叫んで眩む

でももう足も動かないや


(あめ)にさらされて流れていく

もう逃げられる場所はない

ただここに居るだけしか出来ない

僕はただ呟き続けた

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