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愚かを語るもの
軽快な文字に踊らされて
なんて愚かなものだろう
言葉の真意を探らずに
飾りだけで目を眩ませる
王道という重りを背負い
綴ったものは邪道の域
嘘を虚栄で重ね塗り
出来上がったのは虚偽の視野
千差万別成らずに画一に
個性というにはあまりに無域
方式通りに動き続ける物語は
機械仕掛けの神で終わる
浅はかな鎌を突き立てて
しかし深淵には至らない
真似てそこで止まってしまう
所詮は死神の真似をした悪魔
意味を束ね出来た無意味なもの
序幕さえ上がりはしない
舞台裏で待ち続ける傀儡は
もう既に朽ちている
どれだけ綴ろうと
そこに魂がなければ空の繭
空洞に残るのは邪念のみ
それは自分を写した醜い鏡
偽りを受け入れ真実を隠すもの
あまりに眩しく見えないからか
結局はで終わる物語は
既に愚かを語るもの




