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陽炎の至る路
空を懐く陽炎は
いつまでも思い出に
鳥のように空を飛べたらって
青空の向こう側を目指していた
駆け抜けていく友を追って
どこまでも続く水平線へ
跳ね返る夕焼けが眩しいな
帰ろうって手を繋いで帰り道
潮風が背中を押しているような
オレンジ色が星の色に変わった
空を懐く陽炎は
いつまでも待ち続けて
やがて暗闇が光に変わるときを
君とまた見ていたいよ
鳥のようになれたかなって
青空の向こう側を指差した
去って行った友を押して
どこまでも続く水平線へ
水面に写る星の色が
まだ暗闇を照らしていた
手を伸ばした夜空の先
顔を除いた君が笑う
空を懐く陽炎のように
手を取り合って進んでいこう
夜は明けて水面は輝く
ぼやけている向こう側が見えた
空を懐く陽炎は
いつまでも待ち続けている
やがて暗闇が光に変わるときを
君とまた見ていた




