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「もしも」の秋へ

 

「もしも違う形で会えてれば」

君は夕焼けに向かっていった

さよならをいうにはまだ早いだろう

今はきっと静かな夜


秋が始まって君に出会った

紅葉がこぼれる麗しで

「こんな所で何をしているの?」

君の笑顔に僕は惹かれた


読書かなそれとも食欲?

両手いっぱいに掬った秋を

僕と君と一緒に過ごして

繋いでに夕焼けは映る


楽しい気持ちと異なる気持ち

目も開けられない程眩しい毎日

熱い鼓動が胸を焦がす

山は茜色に染まっていった


友達でいればいいのかな

君のそれ以上になりたくて

けれどもそれは僕のエゴイズム

それでもこの気持ちが治まらない


「もうすぐお別れかなあ」

君の手の上に落ちた紅葉の葉

紅葉が少しずつ無くなって

もうすぐ季節は冬になる


手を繋いで帰ろうか

君に会えるのも後わずかだと

それならこの気持ちを伝えようか

君の笑顔がまだ眩しい


夕焼けがやがて落ちていく

影を落とすその中で

君と会ったあの場所に

この気持ちを3文字に


手を伸ばしてどうかなって

返ってきたのは4文字の言葉

君は僕の手を掴んで笑う

「それでも私はあなたと」


茜が白に染まって山は震える

君はもうどこかへ行った

遠い世界へ行ったのだろうか

あの場所はとっくになくって


明くる季節はもう秋に

茜色の空が広がっている

あの頃のことを思い出す

山は紅葉の色に染まっていく


帰ろうか自分の場所へ

僕は帰り道を歩き出す

手を繋いだ温かい感触

僕は友達にいうように


「おかえり」

「ただいま」

何年ぶりだろう

また季節は秋めいて

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