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Rain like tear.
ここに流した雨はいつしか道になっていた
今のぼくに至るための道しるべ
なくなっていたと思っていた景色が
目の前にまたあふれていた
手が届きそうであきらめた
その度に地面を見つめた
影が落ちるその色はなんだが
とても明るく見えていた
誰かの背中を追おうとしたあの頃の
今もまたその焼き直し
傘を差したところで穴が空く
結局また濡れるだけなんだ
ぽっかりと空いた穴を塞ごうにも
中から見える虹が綺麗で直せない
そして今日も過ぎていく
いつまでも「したくない」の繰り返し
びしょ濡れになった手をかざして
いい天気だなっていってみた
晴れ晴れとした雨空の下で
ぼくは曇った感情を地面に流す
壊れた傘はいつまでも
直ることなく虹を描く
いつまで経っても止まない小雨
止まない雨だってあるんだよ




