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白線上のアネモネ
空白に咲いたアネモネが
光を照らして戯けてみせる
私に手を繋ごうと
どこまでも白いままに
ここで出会った温もりを
私は忘れずに抱いている
側にいた君のことも
私はまだ忘れていないよ
明くる回る月と太陽
影が動いて色彩が踊る
気の遠くなるような時間から
それでも思い返せば僅かなこと
私と君が会えた奇跡をもう一度
風は伝わり木々は歌う
君と会ったこの場所に
新しい願いを込めて
手を取り合ってここから歩こう
まだ時間はたくさんあるよ
空白の夢もこここから埋めよう
私と君の綻びを
言葉だけは伝えられないこの祈り
溢れ出す思いが伝わらない
造られた者でありながらこれは
きっと偽りの物ではない
太陽に背を向けて進んでいこう
白線上にアネモネが咲いていた
これからの続きを始めよう
止まっていた時間が動き出す
白線上に咲いたアネモネと
一緒に踊りを続けよう
神の祝福はまだいらない
過去はまた繋がっていく




