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夢の回廊はどこまでも
空が描かれた回廊を
歩き続ける私は独り
前に行く人などいなくて
後ろに追う人もいない
そう
ここにいるのは
私ひとりだけ
独りだけの回廊
誰にも見られることなく
ただ歩き続けるだけの回廊
回廊の壁に描かれた景色は
常に姿を変えて巡る
桜色に染まって温かくなり
水色に染まって冷たくなり
朱色に染まって寂しくなり
白色に染まって孤独になる
それは4つの色を巡る
風のような変わりかた
光がまぶしいときもあれば
滴が落ちて暗くなるときもある
まるで私の心を表すような
変わりかた
私はこの回廊を歩き続ける
私ひとりだけで歩く
それは孤独ではなくて
孤独から抜けるための
夢の回廊