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この道の向こう、明日の方向

 遠くに見える山にはまだ緑色が残っている。それは夏のよう風景だ。しかし吹き抜けていく風は冷たく、少し肌寒い。側いる君は寒いなあと呟いた。コートのポケットから懐炉を取り出して、使うかいと聞いてみると、君はすぐに首を横に振る。私も持っているから。君はスカートのポケットから懐炉と取り出した。

 僕は君の歩幅に合わせてゆっくりと歩く。それでもときどき君は少し遅くなる。大丈夫かいとほほ笑みながら聞いてみると、少し不機嫌な口調で早いという。それじゃあ、もう少し遅く歩こうか。今度は僕が君から少し離れてしまう。そしたら君は遅いよとほほ笑んだ。

 そういえば、から始まる話をする。最近あった不思議な出来事。僕の町にある、少し変わった神社で体験した奇妙な出来事を話してみる。君は嘘だあといいながら笑っている。本当にあったことなんだって。それなら今度連れて行ったあげるよ。君は今度があったらねといった。

 やがて病院が見えて来た。そして正門にたどり着く。そろそろ戻らなきゃいけないね。君は少し寂しそうな表情をする。大丈夫だよ。また明日も来るからさ。僕は君の手を握る。約束だよ、と君はいった。分かっているよ。ちゃんと明日も会いに行く。僕は手を振って君から離れていった。

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