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Story of dusk
町に落ちる
大きな時計塔の影
道は薄暗く
空は紅く染まっていく
それは現が終わる時間の合図
騒音は消えていき
静寂だけが残り始める
カラスさえ泣き止む
夕暮れの始まり
町は暗く暗く
闇は濃く濃くなっていき
光はやがて消えて
偽りの光が町を照らす
ああ、まぶしい
暗がりを好むこの目には
まぶしすぎる
時計塔の上から見るこの町は
いつもこのまぶしい光に満たされる
この時だけは
子の瞬間だけは
いずれこの光さえも消えて
やがて夜がやってくる
星の光は照らす
月の光が照らす
この町を
彼らが照らす
ああ、まぶしい
暗がりを好むこの目には
まぶしすぎる
それでも私はこの光を見よう
この時計塔からずっとずっと見守ろう
今宵も来るだろう
夢の迷い子に
道しるべをしるすために