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若葉の先に
木漏れ日に埋もれて光を浴びる
伸びることを止めずに少しずつ
遠くに見やる空の青
手を伸ばすにはまだ遠い
風に揺らされて落ちてしまう
それでもまた木陰に至る
せせらぎの音を聞き
滴るそよ風に耳を傾ける
のんびりと急ぐことなく
風に光に身を任せて遊んでいる
それは陽気に踊る妖精で
気の周りでにぎやかに
雨が降ろうと雪が積もろうと
日向に花を咲かせて季節を過ごす
遅咲きであろうと早咲きであろうと
綺麗な花は変わらない
手を伸ばして光を遮る
隙間から零れた明かりが温かい
今日もまたせせらぎに耳を傾けて
夏が始まった