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だから人と
その瞳に見えるの何者か
世界を逆さまに見ている
それは全ての翻し
肯定はなく否定もない
それは万物流転の事象の中
故に流れに逆らう
世界に合わせ
世間に呑まれず
力強く地を歩く
掲げた手のひらに明かりがと灯る
流れようとも流されず
自らの目で何かを見続ける
慧眼は持たず
偏見はなく
全てを水平に
切り捨てるものなどない
道化の仮面を被ろうと
化かすことをせずに
その手で人を楽しませる
道化を演じる紳士なり
故に人と共にある
迷い彷徨いそれでも歩く
間違いならば戻ればいい
足音はまだ響く
人と繋がり歩く人
背を叛けようとまた前に
まだ路を行く途中
それもまた空のこと