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メアリー・スーの亡霊
墓場に捨てられた孤独が喚く
独り善がりな独白を謳う
見向きもしない者を亡霊と呼んで
健気にも食らいつこうと
狂った視界を逢わせている
機械仕掛けの物語を動かして
自らが道化を演じている
舞台の上で語る主人公
異物が混じって歯車が吹き飛んでいく
お構いなしに時計を進めていく
目の前に敵はなし
ファランクスを組んで突き進む
頭の中で繰り返される惨状に
死神は手を叩いて笑っている
幕が降りようと終わらない
まだ続く独り善がりな舞踏会
観客なんていらないと
遂には誰もいなくなった
絵画を掲げて自画自賛
音ない拍手に感嘆と
その中に紛れた亡霊は罵る
どうせ聞こえやしないけど
道化はまだ仮面を被って踊ってる
今なお止まらない時計が嘆く
壊れた弾みで全てが歪んでた
そして機械仕掛けの物語は
紙と一緒に燃やして捨てられた