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あきらめ

 

冷たい手すりに掴んで揺れる

春というのに吐息が白い

画面に写し出された天気予報

現在の気温は6度だそうです


扉が開いて寒い風が吹き込んできた

思わず身震い

画面が水滴で濁っていた

服の裾で拭い歩く


連続して移る雨模様が

気に食わないほど晴れて見える

向こうの方が明るいじゃないか

僕の真上の空は鉛色


水溜まりに反射する雨が

足下を濡らしていく

雨水を含んだ靴が気持ち悪い

地面を踏む度に悲鳴をあげる


道に落ちる桜の花びら

いつもよりも穢く見える

それは僕が濁っているから

それともそれが現実だから


目的もなく向かう目的地

それが日課だから僕は行く

雨の音がどうもうるさい

目的地は既に過ぎていた

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