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私というのは

 

私というのはアスファルトに群がる雑草です

有象無象の中に紛れて息を潜め

今日という今が無事に終わることを

祈りながら生きているのです


人混みを避けて歩く道に

私は心苦しい自身を見ます

それは私が現実から逃げているという現実を

嫌という程その瞳に見せつけてくるのです


目を逸らして妄想に耽ていても

空白の隙間から差し込む光が

容赦なく私という醜い現象を映すのです

どれだけ手遮ってもその光は留まります


私というのは卑屈に満ちた現実ということを

私という生き物は頭ごなしに否定したいのです

まだ若いと事象に纏わり付いて

老いていく思考を塞ぎたいのです


日を増すごとに眼前はぼやけていく

霞がかる世界が私を追い出しているように思えるのです

それは私の瞳が濁っていく証なのだと

鏡の前で叫び喚くのです


どれほど愉快な幻を見ていても

いつかは必ず突き刺さる現実を直視せねばなりません

どれだけ助けを求めても

世間体というのは過ぎ去っていきます


私は手を被せ

現実という光を遮りたいのです

夢を追い求めて手を伸ばして

結局私は光を見るしかないのです


私というのはアスファルトの上で枯れた雑草です

あらゆるものから踏みつけられ

くしゃくしゃになってしまうのです

そして最後は誰にも気付かれず捨てられるのです

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