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手のひらに咲いた

 

光にかざしたら

手のひらがくすぐったかった

指の隙間からこぼれる明かり

緑の色彩が影を遮った


手のひらを見てみると

若葉が咲いていた

そよ風に揺らされて今にも消えそう

私はそっと青いリボンを結んだ

離れないように途切れないように


歩く度に揺れる若葉は

何かいいたそう

言葉をかけても何もいわない


空のしるべのまま道を行く

風の香りが胸を踊らせて

先へ先へ呼んでいる


ゆっくり歩くとゆっくり揺れる

速めに歩くとぷるぷる震える

手のひらの若葉が何かいいたそう

言葉をかけてもまだ無言


道の先にたどり着いた

せせらぎの唄う丘の空

ふわりふわり雲が飛んでいる

太陽の光が私の目を照らす


片手をあげて光を掴む

暖かい虚が指の隙間を抜けていく

ふよふよ揺れる若葉がいった

言葉にならない声が空を伝う


分かったじゃあね

私はリボンをほどく

若葉がふわり空へ行く


いつかの日の昼のこと

誰も知らない私の思い出

木の手がまた空を掴む

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