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Story of the daybreak
SNS『Ameba』に投稿した「夜の終わりに」を再編集したものです。
ここはどこだろう
知らない街へ迷いこんだ
目の前には銀の時計塔
針がさしていた時間は午前0時
空は明るくまだ暗い
月が輝いている
ふと見た時計塔
頂きに誰か座ってた
「何をしてるのですか?」
問いかけてみる
「夜の終わりを見てるんだよ」
頂きに座る人はそう答えてくれた
「夜の終わりはきれいだよ
太陽と月が重なって
この世界を照らす
まるで別の世界にいるみたいなんだ」
その人はそう言って空を指差した
僕はあの人が指差した方を見て
思わず見とれてしまった
あの人がいうように
太陽が月と重なって
空を照らす
皆既日食でもない
皆既月食でもない
それはまるで2つの世界が交わった
3つ目の世界
「きれいでしょ?」
「きれいだね」
振り返ってみると
もうあの人はいなくなっていた
ランプをかざした杖を持った
マントをはおっていた少年
誰だったのかな?
分からない
光はやがて
ボクを
町を包み込んだ