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モノクロームの独り言
木枯らしが桜を飛ばすこの道は
何もかもが混ざったグリザイユ
手のひらに舞い降りた花びらを
ぼくは握りつぶして捨ててしまった
雪が降るのに積もらない
薫風が吹き荒れて冬が来る
モノクロームの混ざった視界
吐くため息は真っ黒だった
目を瞑ってはため息ばかり
耳に入る暑いという言葉
けれど口から出るのは寒いという言葉
厚着をして頬を拭った
咲き誇る秋桜
その下で眠る動物たち
照りつける太陽は
積もるトーンを溶かしていく
足を止めて見た景色
白黒の混ざったごっちゃな世界
底にいるぼくはまだ蒼いまま
秋めく緑が揺れ動く
花びらで作った雪だるま
解けずにまだ笑ってる
どこかに置いて来た本がある
手に取って破いて捨てた
いらないと頭を抱えて叫ぶここはどこ
モノトーン混じりのぼくの視界
見たいものが分からない
世界がまた狂っていく




