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クチナシのエピローグ
瓦礫に埋もれたガラクタが
何かを呟こうと嘆いてる
音ない声を廃墟に響かせ
それでも誰にも届かない
霞んだ空は遥か遠くへ
ガラクタを置き去りにしていった
涙を流しながら今思う
その思いは途切れていく
咲き誇る花は何色か
ガラクタの手の上に花咲いた
誰にも気づかれずに散っていく
廻る季節は今何処?
寂れたガラクタは
何も言わずに眠ってる
夢の回廊を
ひたすら走る毎日に
彼方に見える境の光
明くる朝にガラクタは目をつむる
ひとこと口ずさむかつての歌
ガラクタはポロポロ泣いている
もう何もない廃墟に独り
ガラクタは片目をつむって思い出す
今はもうなきあの日々を
挙げた手は崩れていく
永く生きたガラクタは
ついには途絶え消えていく
闇に落ちていくように
人形は泪を流して消えてった