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モダニティ・デカダンス

 

欲に溺れた者はひたすら

電子の狂った箱の中に手を入れる

掴み取った物は僅かなのに

あたかも世界を手に入れたように

背もたれに寄りかかる

なんとも無様な姿である


稚拙を噛み砕いては飲み込み

義務を放棄して自らを正当に称える

その上で他者を見下し

神にでもなったように振る舞う


無知を知らずに賢者を気取る囚人は

全ての事柄に対して答えを知る

それは偽りの知識であり

語る者は周囲に踊らされる

単なる傀儡にしか過ぎない

哀れにも踊り続ける愚者である


言葉という凶器を簡単に降り下ろし

亡霊をなおも冒涜し続ける

いなくなれば標的を変えて

今度こそ仕留めようと喰いかかる


理想に敗れた者が辿り着く理想郷

そこは楽園の絵を被った暗黒郷である

それに気付かずに迷い込む者は

欺瞞の美に惑わされて

永遠までに狂わされて行く


現実から目を背けて

夢ばかりにいる愚か者

やがて輪郭を失って狂い狂う

耳を塞いで叫んだところで

何も掻き消せやしない

亡者の嘲笑はどこにでも響き渡る


繰り返して時間を潰す

電子の狂った箱に齧りつく

嘆き叫ぶように言葉を降り下ろし

怒り狂うように理想を叩き壊す

そうやって自らを英雄にする者よ

舞踏曲を踏み続ける人形になれ


現実に飽きた者に孤独を

そんなものは要らない

彼等が欲しいのは安らぎだ

狂うほどに安息の地を探し続ける

そして孤独にいなくなる


なんとも哀れな終わり方


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