12/660
私の存在というものは
どれだけ何かを積み重ねて
今を生きて行こうとも
それはいずれかは消えるものだ
桜が散るように
鳥が泣き止むように
落ち葉が土に変わるように
雪が溶け消えるように
証がいつか消えてしまう
だからこそ
私は今を生きているの
去っていなくなるからこそ
消えていなくなるからこそ
私は今を生きる
私の生など誰も見向きもしない
誰にも知られることがない
日常のようなものだろう
いずれは名前さえも
存在の残滓さえ残らないだろう
それでいいんだ
私が生きていることは
誰かに認めてもらいたいためではなく
居た証を残したいわけでもない
単に生きているだけだけなのだ
少なくとも私が消える間までの
私の記憶として