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エンリー・コルノード
光にかざした手はまだ黒く
それは明かりを遮るいつか私
まだここにいるのか
いつまでも在り続ける
静かな湖畔のテラスで会おう
夜になったらティータイム
紅茶を淹れて待っている
今日は晴れるといいな
雲さえない空は水面に反射して
私の姿を移している
後ろに輝く光は明るい
遮る私はまだ黒いまま
彼女は今どこにいるのだろう
いきなり飛び出していった人形
また帰ってくるだろう
テーブルに1人分の紅茶を置いた
気付けば遠く今にいる
永く歩いてきた
ため息をついて紅茶を1杯
ここに来るまでどれだけ歩いたのだろう
今まで歩いてきた軌跡は
まだ残ってるのだろうか
テーブルをなぞって辿ってみる
その軌跡はすぐに消えた
いつかの日の昼下がり
湖畔はいつにもまして明るい
手をかざして光を見る
夜になるのはまだ先の話




