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ハゲイトウは咲かない
永遠なんていらないって
君は笑いながら言ってみせた夏の終わり
終わりはいつも身近にあって
冬の始まりに君は去った
どこに行ったのかは知らない
ただ一方的に別れを告げれた
明くる朝も迎える夜も
何か物足りなく日々が去っていく
こんなにもう前のことなのに
未だに記憶は鮮やかなまま
泣いた覚えはない
ただ叫んだことしか覚えはない
君がどこかへ行ってしまって
ボクはなんとなく鶴を折った
窓の先に見えたものはなんだろう
白いカーテンが翻る
いなくなりたくないってさ
君は泣いて叫んだ冬の始まり
白く凍える手は震えて
いつかは止まってしまったのか
いつか見た風景の向こう
そこに植えたハゲイトウ
まだ咲く気配はない
そして枯れてなくなった
咲けなくて可哀想だね
君はハゲイトウを土中に植えた
手を繋いで歩こうか
数年先の道を歩こう
やっぱり永遠は必要だよね
君は笑ってみせた