旅人は語り謳う
幾千に連なる道を歩く
始点から終点へと
歩みを止めることはない
その果てには必ず終わりがある
どんな終わりなのかは知らない
そもそも知る術などない
結末を予測したところで
結局は最悪に終わることが多いのだ
道標などいうものに頼り
道なき道を歩き続ける
時には道標を見誤って
思いもよらない終点へと辿り着く
交差点にさしかかる
どちらの道を行けばいいのか
道標がなければ自らの感で
そして後悔するのである
分岐点にさしかかった
そこに道標はないのである
今度こそと自ら進む
そしてまた後悔する
道を辿ることは後悔の連続だ
その場限りの喜びを噛み締めて
結果的には悲しむことばかり
選択をどれだけ間違えてきたのだろうか
坂を昇ればいずれかは息を切らして引き返す
坂を下ればその速さに強ばり引き返す
道を往復するときもあった気がする
今の道は平坦なものだ
端から端へと渡る私には
道は連続して見えるのだ
最果てというものはないように思える
終点に辿り着いてそこから落ちるのだ
私はどれくらい歩き続けたのだろう
まだ何十回しか終点に辿り着いていない
時代はまだ代わることなく変わっている
置いてきぼりにされるのはまだまだ先だ
私はまだ歩かねばならない
後何十回終点へと辿り着けばいいのか
まだ若い私には分かりかねる
旅というものはまだ始まったばかりである