第2話 海と氷の魔術師
その頃、集落に居た騎士・ブロント=アリバラン。
そいつは草原に向かった。
ブロント「草原で異変が起こりそう。きっとだ。魔物だらけと言う噂」
こいつこそブロント=アリバラン。
王子と言う肩書きも持つがそれは活用せず
王国の騎士団長と言う肩書きで生きている――
目的は草原でまものをたおし、仲間を入手したいからだ……
シャーサクたちの行動に戻る――
シャーサク「この世界はどうなっているの。」
那遊「ここはテンミリオン。魔王がいるらしくその魔王が動物と言う生物を実験などでスライム等のモンスターにしたのですの。そのスライムたちがさらに進化してガーゴイルやオーガーみたいな強力なモンスターになったんですわ。」
も、モンスター。架空のキャラクターで悪い物が多い。純粋な性格らしいので悪に染まったら悪い卑怯で町を滅ぼす存在
良い心を持つ人間がゲットしたら悪者を倒す為の頼もしい仲間である。
そんなモンスターが居る世界とは僕は凄いと思った。
那遊「このテンミリオンにはいくつかの大陸があるらしい。その大陸のどこかに魔王が潜んでいると思うんですわ。」
魔王。魔物の王で世界を滅ぼす者。
ますますシャーサクの冒険記って感じ――
那遊「これぐらいしか知らないわ。」
那遊さん。これで十分。
僕はこれだけの情報を大事にするよ。
この草原を進んでゆくと・・・
スライムのような物と宙に浮いている鬼火
そして魔術師の女がいた―――
セシル「スライム、ウィスプ。やっておしまい。」
セシルと呼ばれる謎の魔術師は、その空中に浮遊するウィスプとスライムに
命令をし、僕たちに襲ってきた。
しかし、素早い動きでシャーサクが前に出た。右手を前に突き出し、服の右側の腕を捲り上げ、
怒声のような声を敵へ上げる。
シャーサク「僕の殴りを見せてやる!」
そして僕は凄い勢いでスライムに走った。学校ではかったとき、僕は持久走では6分58秒。
遅い方であり、筋力は右28キロ、左24キロである。
かなりと言っていいほど殴りの威力は低めである。これではスライムを殴っても
あまり効果が現れないかもしれない。
シャーサクは少しためらいを覚えた。もし効果が無かったとしたら、強烈な反撃が
繰り出され、大きなダメージを負うかもしれない。だがやってみなくちゃ分からない。
――それでも全力で殴ってやる!!
強い意志と共に拳に力を入れ、スライムに接近すると飛び上がり、力いっぱい
殴りこんだ。
グニョ。
全力でスライムに殴ったが、変な感触が右手に伝わった。スライムはゼリー状で
出来ている。なので弾力性あるゼリーの体に対しては威力が無い。
ダメージを当たるならば、刃物や魔法と言ったものしかダメだ。
次にはスライムが反撃に出た。しかしその行動を見切っていたシャーサクは
難なく反撃を回避すると、那遊ちゃんがいたところへ退いた。
そこへ那遊ちゃんが声をかけた。
那遊「武器無いの?。代わりにわたくしのこのローズロッドでスライムを倒すわ。」
那遊ちゃんはポケットから薔薇をモチーフにした美しい杖を取り出した。
もち手の部分は薔薇の茎をイメージしてあり、トゲトゲがある。いかにも痛そうに見えるが、
モチーフにしてある為、それほど痛いとかではなく、きちんと先端部分は丸まってあり、
逆に持ちやすいものだろう。そして杖の先はその名の通り本物に良く似た薔薇の花が取り付けられており、
より美しさを引き出している。
そしてなによりも杖で殴った時、魔法までの威力が高そうだ。
そして那遊ちゃんは素早くスライムへと接近した。そして彼女は
線を描くようにしてそのローズロッドでスライムを、剣で一閃させるように
叩いた。パコンッ!と言う音が鳴り響いた。確実にダメージを与えたみたいだ。
それに思った通り威力は高い。
杖の威力も凄いけど、那遊ちゃんも凄い。スライムは回避も出来なかったし、
接近するスピードも凄かった。シャーサクは感心していたが、スライムは消えることなく
フヨフヨと少し動いていた。
スライル「まだ。力が……」
スライムはまだ生きていた。このスライムは普通じゃない……みたいだけど、
もう戦える力はあまり無いみたい。確実に倒すなら今しかない!
そう思って2人は一斉に攻めようとした瞬間、何かが音がした。
ウィッス「ボォォォ『炎』」
別の方向にいたあのウィスプが僕に炎を飛ばしてきた。僕はそれに気がつかず
もろに直撃してしまった。
シャーサク「あっつーーーい」
凄く熱い、やけどした。皮膚が黒ずんでいて、見ると気持ちが悪いくらいだ。
プチン……
僕は堪忍袋の緒が切れた。もう怒った。許さない。本気でウィスプを殴ってやる。
シャーサク「殴っちゃうもんね。」
怒りのあまりにシャーサクはウィスプへと急接近し、殴りかかった。
那遊「あ!ダメ!素手でウィスプに攻撃すると・・・!」
那遊ちゃんが声をかけたが遅かった。既にシャーサクはウィスプに殴ってしまった。
ウィスプは鬼火。燃えている為手を火傷してしまった。
熱い、痛い。そして辛い。
痛みとやけど、この二つがシャーサクの体力を奪い、さらには辛さが精神的に
ダメージを与える。でも負けられない!
スラップ「スラスラ。コロスゾ…」
別のスライムがシャーサクへと近寄り、おぞましい声で揶揄するように言った。
シャーサクはその声を振る切るようにして身構えた。
シャーサク「光の棘。試してみるか!!『光の棘』」
光の棘を出す魔法を唱える為、僕は詠唱をした。無詠唱なので
時間がかからない。なんと便利な魔法だと、自分で感心した。
そして僕は無数の光の棘を空間から出現させた。その光の棘は瞬く間に八方に飛び散り、
スライムやウィスプを蜂の巣のように刺した。相手は悲鳴をあげ、
バタリと倒れたりプシュウと消えていった。
後に残った敵はスライム1体とウィスプ1体、そして女性1体ぐらいになった。
セシルは身構え、何かのポーズを見せる。それが何なのかは僕には
分からないけど、検討がつくのは一つだけ。何か強い攻撃をしてくること。
これだけ僕は敵を一気に倒した。そうとう相手は怒りに満ちていて、
仇を討とうとでも考えているのだろう。そのお陰できっと強い攻撃に違いない。
そして謎の魔術師、セシルが声を上げる。
セシル「よくもやりましたわね。わたくしの技を見せてやるわ『アイシクルエッジ』」
呪文の名前を叫ぶと、突然回りが暗くなり、周りが白くなってきた。
その白い物はそれぞれ一つになり、氷柱となった。それも数え切れないほど沢山ある。
――思った通りだ!
シャーサクは背中が凍ったかのように冷たくなった。まずい。これでは大ダメージを受け、
致命傷、それとも死んでしまうかもしれない。
そして氷柱は数秒経つと、僕達へ襲い掛かってきた。
シャーとサクを反対にして出来る言葉はサクシャーだ。