おっぱいバトル完結編
激突、激突、激突ゥゥゥーーーッ!!!
昼休みの決着がおあずけとなってから数日。私立巨嶺学園の裏闘技場で、神代零と五条院麗華の第二ラウンドが幕を開けていた。
超音速の空中戦。
自らの身を削りながら神速の重撃を繰り出す麗華の猛攻を、無限のスタミナを誇る零が「永久機関の絶壁」で受け流す。拳が交差するたび、お互いの乳力が火花となって散り、アリーナのコンクリートが消し飛んでいく。
だが、長すぎるデッドヒートは、二人の少女の「根幹」を確実に蝕んでいた。
パァンッ!!!
麗華の制服が大きく弾け、その胸元から最後の莫大なオーラが噴き出す。
**【五条院麗華:Dカップ ➔ 運命のCカップへ減退】**
「はぁ、はぁ、はぁ……ッ!!」
その瞬間、麗華の動きがピタリと止まった。
黄金比。一般社会における、至高の美乳サイズ。
しかし、ボリューム至上主義のこの巨嶺学園において、それはトップランカーの座からの完全なる転落を意味していた。
(嘘……。私の、私の誇り高き質量が……普通(Cカップ)になっちゃった……!?)
手で胸元を覆い、愕然とする麗華。これまで「圧倒的な巨大さ」だけをアイデンティティにしてきた彼女の、絶対の自信がガラガラと音を立てて崩れ落ちていく。勢いを失い、その場にへたり込む最強の女王。
「どうした麗華ァ! そんなもんで終わりかよッ!!」
チャンスとばかりに、零が空気抵抗ゼロの拳を突き出す。
――だが、その瞬間。零の胸元に、かつてない激痛が走った。
ピシッ……。
「がはっ……!?!? な、何、これ……っ」
走るのを止め、己の胸元を見下ろす零。
そこに眠る乳力核は無限のエネルギーを創出するはずだった。だが、麗華の放ったCカップの呪縛か、あるいは長すぎる戦闘の負荷か。
これ以上小さくなるはずのない零のAAカップの胸が……さらに、引き締まるように縮んでいく。
**【神代零:AAカップ ➔ 驚愕の『凹』へ強制突入】**
「う、嘘だろ……。平坦を超えて……凹んでる……!?」
絶壁こそが、空気抵抗ゼロの最速を生む最強の盾だった。だが、内側に陥没したその胸元は、もはや「平坦」ではない。ただの『無』だ。
(アタシの、アタシのスタイリッシュ・フラットが……ただのマイナスになっちまった……っ!)
「絶壁の矜持」を失った零もまた、その場に膝をつき、絶望に目を見開く。
アリーナの中心で、Cカップの凡人になった元女王と、凹になった元レーズンが、互いにアイデンティティを喪失してガタガタと震えていた。
「くっ……もうダメよ。私はもう、Kカップの麗華様じゃない……ただの、ただのちょっとスタイルのいい女子高生よ……」
「アタシだって……真っ平らだから戦えたのに……凹んでたら、もうレーズン以下じゃねぇか……」
静まり返るアリーナ。
誰もが「最強の二人」のあまりにもマヌケで、あまりにもシリアスな自滅に声を失っていた。
だが。
その沈黙を破ったのは、麗華の乾いた笑い声だった。
「……フフ。あはははは! 何よそれ! 凹んでるじゃない、零!!」
「うるせぇ! お前だってただのCカップの癖に笑うなッ!!」
「いいじゃない、Cカップ! 動きやすさは抜群よ! 肩も凝らないわ!!」
麗華がガバッと立ち上がる。その瞳には、質量に縛られていた頃にはなかった、純粋な「格闘家」としての光が宿っていた。
「私は肉の重りから解放された! 今の私は、過去最高の五条院麗華よ!!」
「へっ……言うじゃねぇか。だったらアタシの『凹』だって、空気抵抗がゼロを通り越して、周囲の空気を吸い込む『ダイソン並の吸引力』を生み出してるぜ!!」
零もまた、胸元の陥没によって発生した局所的な気圧の谷(真空状態)に気づき、不敵に笑う。
二人は失った。しかし、それゆえに手に入れた。
記号としてのエロティシズムを完全に脱ぎ捨てた、純粋なる「拳」の語り合い。
**「「これこそが、私たちの『胸育』だぁぁぁぁぁッッッ!!!」」**
Cカップの超神速ストレートと、凹の真空ブラックホールを纏ったアッパーカットが、同時に炸裂する。
**ズガァァァァァァァァンッッッ!!!!**
アリーナ全体が目も眩むような閃光に包まれ、大爆発を起こした。
数分後。
煙が晴れた戦場には、大の字になって天井を見上げる二人の少女の姿があった。お互いの拳が綺麗にクリーンヒットし、完全なる同時ノックダウン(相打ち)。
「……やるじゃない、零」
「お前こそな、麗華」
空を見つめる二人の胸元は、爆発の乳力還元の影響か、お互いに**【Bカップ(美乳)】**という、あまりにも健康的なサイズでピタリと揃って止まっていた。
「……ねぇ零。Bカップって、服の選択肢がすごく増えるのね」
「あぁ、悪くねぇな。……っていうか、これ、めちゃくちゃ戦いやすくないか?」
「ええ。バランス型としては最強ね」
二人は顔を見合わせ、声を上げて笑った。
こうして、巨嶺学園の「ボリューム至上主義」は、最強の二人が「適正サイズ」の快適さに目覚めたことで、なし崩し的に崩壊したのだった。
これからは――『健康的なBカップ』の時代だ!




