第18章:盗賊狩りパート2
敵の中で一番弱そうなやつに突っ込まなかったのは、向こうもそれを読んでいるに決まっているからだ。
代わりに、俺は火属性の魔法使いたちを優先することにした。
遠距離から攻撃できて、一部の服も燃やされたし、一番危険だった。
風を使って左へ跳び、半円を描くようにして素早く敵を迂回した。
枯れ葉が風に巻き上げられ、まるで自然の盾のように視界を乱していく。
火の魔法使いの一人が、炎の塊を一直線に撃ってきた。
俺は地面を転がってそれを避け、そのままの動きで剣に込めた圧縮された風を撃ち出した。
透明な刃が空気を裂き、次の魔法を唱える前に相手の右腕を切り落とした。
「ぐあああああっ!」
膝をつきながら、切断面を押さえてうめき声を上げる。
残りは火が三人、土が二人、そして魔力を使わない男が一人。合計六人。
土の魔法使いたちは地面から岩の壁を生やし、身を守りながら前進してきた。
悪手だ。
俺は足に魔力を集中させ、高く跳び上がった。
さらに風を噴出して高度を伸ばす。上からなら敵の位置が丸見えだ。
まるで鷹のように急降下しながら、土の魔法使いの一人に向かった。
最後の瞬間に出した岩壁ごと剣を突き刺し、肩に命中させて倒した。
着地した瞬間、魔法を使わない大柄な男が、両刃の斧を構えて突進してきた。
「死ねぇ、ガキィッ!」
紙一重で横薙ぎを避ける。
背後の木が斧で真っ二つになった。
その勢いを利用し、俺は回転しながら低い位置で切り込み、腿の腱を断ち切った。
男は悲鳴を上げながら膝をつく。
首に一閃。もう声は出なかった。
残り五人。
火の魔法使いたちは隊列を整え、同時に炎柱を撃ち込んできた。
三つの炎が一点に収束し、逃げ場はなかった。
俺は溜め込んでいた魔力を一気に解放した。
周囲に小型の竜巻が発生し、炎を左右に逸らした。
近くにいた火の魔法使いの一人が巻き込まれ、自分の魔法に焼かれながら転げ回った。
残りの二人は怯えて後退した。
最後の土の魔法使いは石柱を地面から突き出して俺を拘束しようとしたが、もう遅い。
俺は炎の魔法使いの一人に一直線に走り込む。
相手は炎の壁を生み出して遮ろうとした。
しかし風がまとわりついた俺の体が炎を押しのけ、左腕を焦がしながら突破した。
斜めに一閃。
首が転がった。
残った火の魔法使いは顔面蒼白になり、背を向けて逃げようとした。
だが俺は剣の切っ先から風の矢を放ち、背中を貫いた。
音もなく倒れる。
残るは土の魔法使い一人。
彼は震えながら両手を上げた。
「た、助けてくれ…降参だ…死にたくない…」
俺は息を荒くしながら周囲を見回した。
森には血と焦げた肉、それから掘り起こされた土の匂いが充満している。
服は焦げ、左腕は焼けるように痛む。だが俺はまだ生きている。
剣をゆっくり下ろしながら言った。
「…いや。お前らは罪のない人間を殺した。そんな奴らに降参はない。」
最後の風の刃。
静かで、正確で、無慈悲だった。
森は沈黙に包まれ、燃える落ち葉のパチパチという音だけが響いた。
俺は倒れた敵のマントで剣を拭い、鞘に収めた。
あたりを一周見渡す。
盗賊十五人。生存者ゼロ。
少しだけ口元が緩む。体は全身痛むけど関係ない。
「師匠……どうやら合格みたいだな。」
足を引きずりながら、それでも胸を張って森を後にした。
狩りは終わった。




