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第11章 洞窟の中で

俺とリリアが誘拐されたあと、暗い洞窟に連れて行かれた。

まあ、洞窟に入るのは初めてだった。


本や物語で洞窟の話は聞いていたけど、まさか初めてがこんな形になるとは思わなかった。

何が起きているのかも分からず、なぜ誘拐されたのかも分からなかった。

でも、師匠が言っていた「誰かがついてきている」という言葉だけが頭に浮かんだ。

本当に俺たちは何をしたんだろう。


(誘拐犯たちのアジトである洞窟の中)

「子供たちがいるところへ行くぞ。」

「了解です、ボス。」

しばらくして、一人の男が俺たちの前に現れた。


誰なのか分からなかったし、多分向こうも俺が誰かなんて知らないだろう。

もし知っていたら、こんなことはしなかったはずだ。


「これが、あの二人の子供か?」

「はい、ボス。」

「ふむ、ふむ、ふむ。」

「さて子供たちよ、なぜお前たちを誘拐したのか不思議に思っているだろう。

だが心配するな、これから説明してやる。」


普通なら、誘拐された子供は師匠のことを心配して泣いたり叫んだりするはずだ。

でも俺は違う。師匠がどれだけ強いか知っているからだ。

まあ、聞くだけ聞いてみるか。


「なぁ、師匠は…師匠はどこにいる?」

「ん?あのジジイのことか?さあなぁ〜。」

「師匠に何したんだよ!」

(リリアの心の声)

——なんでアイトはあんなにおじいちゃんのことで取り乱してるの?

アイトが一番、おじいちゃんが強いって知ってるのに。

あの大蛇や男達じゃ敵わないって分かってるはず。


…あ、そっか。心配するフリして、相手を油断させてるんだ。

なら私も乗った方がいいかも。

(泣き声)

「おじいちゃん…おじいちゃん…なんで私たちを助けなかったの…なんでぇ…!」


(アイトの心の声)


——え、ちょっと待て。なんでリリアが泣いてる?

一番分かってるはずなのに。

…いや、もしかして大蛇の恐怖や突然の誘拐で精神的に来てたのか?

それなら慰めないとな。

「リリア、ちょっと落ち着け…俺がいるから…大丈夫だ。」


(アイトの心の声)


そう言ったけど、正直あまり自信はない。

三人か四人なら倒せるかもしれないが、それでも限界だ。

でもリリアが泣いてるなら放っておけない。

姉さんだったら絶対にそうする。


「な、な?落ち着けって。」

「分かった…アイト…頑張る…でもおじいちゃんが…」

「うるせぇガキども、さっさと黙れ。」


(さらに泣く)


「な、なんで私が黙らなきゃいけないのよ…誘拐してきたのはそっちでしょ…!」

どうする…俺も泣こうか?

いやダメだ、それじゃ逆効果だ。

もうちょい慰めろ俺。


「リリア、頼む…少しだけ我慢してくれ…」


「チッ…このガキども、もういい。


説明なんてしてやらねぇよ。


俺流の方法で黙らせてやる。」


そう言うと、男はナイフを取り出し近づいてきた。


その瞬間、洞窟全体が揺れるほどの轟音が響いた。


来たのは、分かっていた。


ただ、思ったより早かった。


大蛇も、あの男たちも、もう片付けているらしい。


「な、なんだ今の音!?」

「ハハハハ!ようやく来たな。」

「えっ…誰が来たんだ?」

「誰だと思うんだよ、師匠に決まってんだろ。」

「バカな…そんな早さで来れるわけ——」

「他の人間ならな。でもあのジジイは別だ。」

「ってことは…心配も泣き声も…全部演技…?


「さぁ?どうだろなぁ。」

「ハハハハ!なるほど鉄壁ってやつか。

いや、そもそもなんでお前らを誘拐したんだっけ俺…?」

男が近づいてきたその瞬間——

洞窟の奥から、息が詰まるほどの殺気が溢れ出した。


それは空間を水で満たして密閉するように、隙間なく全てを支配した。

男は一歩も動けなくなった。

「こ、この圧…ま、まさか…俺は——」

言い終わる前に、男の頭は胴体から離れていた。

血が俺の顔に飛び散った。


「アァァァァァァァ——ッ!!(アイト)

し、死んだ…!」

それが初めて目の前で見た“人間の死”だった。

しかもその血が俺の顔に飛んできたのだ。

間違った場所にいたらごめんなさい

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