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第25話 コンプレックス

 夜、聖君が電話をくれた。

「スイミングスクールの日だったよね?」

「うん」

「ばっちり泳げた?」

「うん。最後にはちゃんと25メートル泳げた」

「そっか~~。すごいね、桃子ちゃん」

 聖君は、いつも褒めてくれる。


「コーチがね」

「うん」

「9月には、移動しちゃうんだって」

「移動?」

「○○店に移動するって言ってた」

「どこ?それ」

「私もわからないけど、遠いみたい」

「…花ちゃん、ショック受けたんじゃない?」

「うん。泣いてた」


「そっか…」

 ちょっと聖君の声が沈んだ。

「でもね、告白してみるって言ってたよ」

「へえ~。勇気出してみるんだ」

「うん」

「そっか…」

「うまくいくといいな~~」


 聖君は黙っていた。あれ?そうだね…とか言ってくれると思ったのにな。

「もし、うまくいってもいかなくっても、大丈夫だね」

「え?」

「桃子ちゃん、そばについてるし」

「花ちゃんの?」

「そう」

「…うん」


 なんだか不思議だ。今まで私がいつも、恋の相談を持ちかけ、菜摘や蘭に聞いてもらい、力づけてもらってた。でも今は、菜摘や、花ちゃんの相談を聞いてる側にいるんだよな~~。


「男の人も友達と、恋の相談とかすることあるの?」

「え?」

「最近、花ちゃんだったり、菜摘の相談聞いてて、男の人もそういうのあるのかなって」

「ああ。うん。することもあれば、しないこともあれば…。菜摘、何か悩んでるの?」

「え?!」

 わ。そうだった。内緒だったんだ。


「まだ、葉一とぎくしゃくしてるとか?」

「う、ううん。ただ、ちょっと」

 あ~~~。言えない。胸のことはさすがに。

「じゃ、何?」

「ごめん。聖君でも言えない。これは女の子だけの話…」

「え?」


 しばらく聖君が黙り込み、

「なんか余計気になる。でも、菜摘にもしかして俺に言うなって口止めされてる?」

「う、うん」

「そっか。じゃ、いいや。俺も菜摘には言うなよってことあるもんな」

「うん。ごめん」

「いいよ」

「うん。だけど、菜摘、葉君にはちゃんと話すって言っていたから」

「あれ?そうなの?俺だけのけもの?」

「ち、違う。ただ、当人同士の問題というか、私だって葉君に話したほうがいいよとしか、言えなかったし」


「そっか。俺じゃなくって桃子ちゃんに相談するのが、1番だったんだ」

「そ、そうかな」

「なんか、桃子ちゃん、大人になったね~」

「へ?」

「人の恋の相談を受けるなんて」

「お、大人?」

「あはは!冗談、冗談。ただ、桃子ちゃん、変ったなって思っただけ」

「変った?」

「ああ。違うか。もともとそういう質は持ってたんだ」


「なんの?」

「話を聞いたり、人に勇気をあげたりする力」

「私が?!」

「俺が父さんや菜摘のことで、悩んでいた時にも、話聞いてくれて、力くれてた」

「私が?力を?」

「うん。嬉しかったよ。俺。あんとき、桃子ちゃんがそばにいてくれて、良かったって今でもまじ、思ってる」


 え~~~?

「わ、私、役に立ってた?」

「もちろん!」

 嬉しい…。聖君さっきから、すごく嬉しいことをいっぱい言ってくれてる。

「ありがとう」

「へ?お礼なら俺のほうでしょ?力くれてありがとう」

「そう言ってくれるから、すごく嬉しい」

 感動して、胸の奥がじ~~んってした。


「桃子ちゃん、明日うちに来ない?」

「え?明日?」

「うん。塾、終わってからだから、3時過ぎになるけど…。帰りはちゃんと送ってくよ」

「そんな、遠いし悪いよ」

「いいよ。ただ…」

「え?」

「お母さんに夕飯も食べて帰るって、言ってくれるとありがたいんだけど」

「うん。そう言っとく」


「じゃ、明日3時半なら俺、江ノ島にいるから。そのくらいに改札で待ってる」

「うん」

 おやすみって言って電話を切った。夜はもしかして、聖君の家族とご飯でも食べることになるのかな。確か、れいんどろっぷすは水曜定休日だし、みんなのんびりしてるんじゃないのかな。いいのかな、そんな日にお邪魔して…。


 でも、会えるのが嬉しくて、わくわくしながら、明日着ていく服を揃えていると、また携帯が鳴った。聖君の着ボイスじゃないから、他の誰かだ。花ちゃん?それか菜摘?

「もしもし」

「桃子?今、大丈夫?」

 菜摘だ…。

「うん、大丈夫」


「今日ね、葉君に会ってきたよ」

「うん。それで、どうだった?」

 なんか、私のことみたいにドキドキする。

「桃子が言うように、素直に話してみたの」

「うん」

「葉君、ごめんって謝ってきて。私が浴衣着てたし、舞い上がっていたって。もうあんなことしないからって」

「…。わかってもらえたんだ」


「うん」

 良かった…。でも、そうだよね、葉君、菜摘のこと大切に思ってるもの。

「俺、嫌われた?とか、嫌になってない?とか聞かれちゃった。あのあと、私がだんまりで、葉君も心配してたみたい」

「それで、菜摘、なんて言ったの?」

「嫌ってないって言ったよ。ただ、まだそういうのは、受け入れられないから、もう少し待ってって言ったの。そうしたら、うんって言ってくれた。それに…」

「それに?」

「私のこと、ちゃんと大事に思ってくれてるって」


「そうか~~。良かったね。菜摘」

「うん、ありがとうね、桃子。一人でうじうじしてるより、ちゃんと話したほうがいいね。私、根暗なやつだって自分で思っちゃった」

「菜摘が根暗?と、とんでもない」

「そんなことないよ。無理して明るくしたりしても、心の中じゃ、あれこれ悩んだり、暗いこと考えて、相手にちゃんと自分の素直な気持ちも言えない。桃子は兄貴に言ってるんでしょ?兄貴、桃子ちゃんは素直だからってよく言ってるけど、すごいなって思うもん」

 え~~~~~?!私が?!


「はあ。昨日の夜、寝れなかった。葉君、去っていったらどうしようかなとか、葉君と別れるくらいなら、怖くても我慢しようかなとか、今思うと悩んでるのが、馬鹿みたいだよね」

「そんなことないよ。私だって悩んで、聖君に言えないことあるし、言ったら困らせるかなとか、変に思われるかなとか、あるもん」

「あるの?悩んでること」

「うん」

「何?兄貴には言わないよ。私でよかったら聞くよ?」


「沖縄、行っちゃうこと思うと、怖くなる」

「離れるのが?」

「うん。向こうには奇麗な女の人もいるんじゃないかなとか」

「……」

「私なんて、幼いし、聖君ももっと、奇麗で大人な女性に出会ったら、気持ち傾かないかなとか」

「は~~。なんか、前ならそんなことないよ!とか、もっと自信もちなよ!とか言ってるところだけど、桃子の気持ちもわかっちゃって、今は、何も言ってあげられないや。ごめんね」

「ううん、いいの。聞いてもらえただけで、すっきりしたかも」

 

 そうか。そうだよね。私だけじゃないんだね、こういうの思ってるのって。菜摘だって、葉君だって、嫌われたらどうしようかって思ったりしてるんだね。

 あ、聖君もかな。ちょっとその辺が信じられないんだけど、でも、時々、俺のこと呆れてない?とか聞いてくることあるもの。不安になることもあるのかな。こんなに聖君のこと好きなのにな。


 菜摘との電話を切って、お風呂に入り、ベッドに入った。そして、明日また聖君に会えることを心待ちにして、私は寝た。


 翌日、3時半前に江ノ島の駅に着いた。天気が良くて、江ノ島の駅には人がたくさんいた。家族連れ、カップル、高校生くらいの女の子。みんな、海から帰るところみたいだった。

 そうか。朝から海に来ていたら、ちょうど帰る頃になるのか。


 楽しそうに笑う人たちの中を通り、改札口を出るとそこには、すでに聖君が立っていた。でも、横に女の子が一緒にいて、笑いながら話をしている。こっちにも気づかないみたいだ。

 だ、誰?背がすらっとしてて、髪が長くて、華奢なのに線がとても女らしい。

「あ、桃子ちゃん!」

 聖君が気がついて、こっちを向いた。


「……。聖君の彼女?」

 その女性もこっちを見た。

「わ~~~~~」

 私を見て、すごく驚いている。なんで?

「こ、こんにちは」

 誰だろうか。わからないけど、挨拶をした。すると、

「こんにちは。私、れいんどろっぷすで働いてる、香坂桜です」

とその人が、私の顔を覗きこみながら挨拶をした。

「え?」

 れいんどろっぷすで?あれ?でも前に行った時には、確かもっと年齢のいってる人が働いてた…。


「いつもは母が働いてて、でも最近ちょっと体調が悪くなって、夏休みは私が時々、手伝っているの」

「あ、そうなんですか」

 知らなかった。ああ、じゃ、いつもいる人はこの人のお母さんなんだ。そして、夏休みには、こんなに奇麗な人がお店に来ていたんだ。

 横に並ぶと、さらに背の高さがわかる。170近いんじゃないかな。奇麗なワンピースと奇麗なサラサラのロングヘアー。


 ああ。そんな人が、聖君の近くにすでに、現れていたんだ。

 私の欲しい背も、サラサラな髪もすべて持ち合わせている、こんな素敵な大人っぽい女性が。

「母も、聖君のお母さんもみんなして、聖君の彼女は可愛いのよって言うから、会ってみたいって思ってたの。そしたら、偶然聖君とここで会ったから、待ってたら桃子ちゃんに会えるかなって思って」

 え?

「びっくりした~~。予想を上回る可愛い女の子なのね!これじゃ、他のどんな子だって、聖君、興味を持たないわけだ」

 ええ?!


「桜さん、やめて、そういうの…」

「あれれ?聖君、照れてるの~~?そういうところ見るの初めて」

「そ、そうじゃなくって!桃子ちゃんが恥ずかしがるから」

 聖君にそう言われて、桜さんが私を見た。

「あ、本当だ。真っ赤だ!可愛い」

 どう受け取ったらいいのかな。子供みたいとか思われてるのかな。困ってしまい、黙ってうつむくと、

「ごめんね。邪魔はしないから、もうとっとと行くわ。じゃあね、聖君」

「うん。またね」

 桜さんは、颯爽と歩き出した。桜さんが歩くと髪が揺れ、すごく女らしいいい香りがした。


「……」

 私はその後姿を黙って見ていた。

「桃子ちゃん、夕飯何がいい?」

「え?」

 突然夕飯の話をするから驚くと、

「カレーとか、シチューなら、材料あるけど、そんなのでいい?」

と聖君が言ってきた。

「うん」

 ?聖君が作るのかな。


「キッチンにも入って、手伝わされてたから、ある程度は作れるけど、あまり凝ったのは作れないんだ」

「聖君が作るの?」

「うん。あれ?もしかして、嫌がってる?俺の手料理?」

「ううん!そうじゃなくって…」

「桃子ちゃんも手伝ってくれる?」

「うん」

 わ~~。二人で料理を作るの?嬉しいかも。


「暑いね、今日。江ノ島、朝からすごい人だったよ」

「今もたくさんいるね、人」

「冬は閑散としてるのにね」

「うん」

 聖君とれいんどろっぷすに向かって歩き出した。

 私はまだ、桜さんが気になっていた。今、何歳なんだろうかとか、彼氏いるのかとか。


「桜さん…」

「え?」

「奇麗な人だね。背も高い」

「ああ。そうだね。170あるって言ってたな」

「……。かっこいいね。聖君といても、釣り合いとれてて」

「え?」

「聖君より、年上?」

「うん、大学生だよ。今年20歳だって」

「そうなんだ」


 年上の奇麗な、女性なんだ…。あ。駄目だ。そんな人がもし現れたらって思ってたけど、もうすでにいて、私はかなり今、ショックを受けてる。

「彼氏とかいるよね?あんなに素敵だったら、もてるだろうし」

「彼氏?いないって言ってたよ」

「嘘!」

「……。嘘じゃないと思うけど。そんなにびっくりすることだった?」

「え?」

「今、すごい驚いてたから」

「あ、ううん。でも奇麗だから」


「あはは!確かに奇麗だけど。それはそれで悩みみたい」

「え?」

「声かけてもらえないんだって。背も高いし、周りにいる男性は、彼女もちが多いらしいし」

「……。そうなの?」

「うん。あと、友達どまりになったりするらしい。性格が男っぽいんだって。さばさばしてて、恋に発展する前に、相談事されたりして、友達で終わるらしいよ」


「信じられない。あんなに奇麗ならすごくもてて、彼氏だっているのかなって」

「桜さんさ、俺に何か同じ匂いを感じるとかって言ってさ」

「同じ?」

「そう。聖君もすごくもてそうだけど、なかなか女の子寄ってこないんじゃない?ってさ。かっこよすぎて、とっつきにくいって思われそうって」


 そんなふうに見えるんだ。

「当たってるといえば、当たってるかな~~。俺も学校じゃあまり女の子と話さないし、話しかけてくる子もあまりいないし」

「そっか。硬派なんだもんね」

「そんな話をしたら、わかるって言われた。だから、俺には彼女がいないものだと勝手に思ってたみたいで」

「え?」

「それが、母さんがいるってばらしてさ。すごく可愛い女の子らしい子で、桜さんも驚くわよ、なんてさ。だから、すげえ会ってみたいって言ってて、今日、あんなにテンション高かったわけ」


「そうなんだ…」

 彼氏いないんだ。ああ、そこだけがどうも、頭の中をぐるぐるしてる。

「……。きっと、あとで、言われるだろうな~~。いろいろと」

「え?」

「店を閉めると、母さんや父さんと桜さん、お酒飲む時があって。桜さんももう、20歳だし。そうすると、こんなに背が高くなくて、もっと小柄で女の子らしくなりたかったって愚痴るんだ」

「え?!」

 あんなに奇麗なのに?私が持ってないものいっぱいもってるのに?


「そうすると、母さんが言わなきゃいいのに、桃子ちゃんみたいになりたいって思ってるのね~~とか言ってくれちゃって」

「え?」

「まだ会ってない頃から、桜さん、桃子ちゃんが羨ましいってずっと言ってた。で、最後に俺、絡まれるわけ。結局男はみんな、そういう可愛い女の子がいいのよ。聖君だってそうでしょ~~?ってさ」

「……」

 ちょっと、いや、だいぶびっくり。


「過去にいろいろとあったみたいだね。桜さんには桜さんの良さがあって、その良さを好きになってくれる人、現れるよって言っても、そこを聖君が好きになってくれるわけじゃないじゃないってまた、怒られる。どう言っても、俺、怒られるの」

「桜さんって」

「え?」

「なななな、なんでもない!」

「何?」

 危ない。変なことを口走りそうになっちゃった。でも、女の勘ってやつかな。今、聖君のこと好きなんじゃないかって、そんな気が…。


「桜さん、俺に付き合ってって言って来たことあるよ」

「え~~?!」

 好きとか、そんな段階じゃなく、聖君、もう告白されてたの?!

「あ、半分冗談で」

 嘘だ。冗談じゃないよ、それは…。

「でも、俺、彼女いるし駄目だって言った。っていうかさ、彼女いるって知っているのに、言って来たから」

「……」

 そうなんだ。彼女いても、そんなことを。


「高校生の男の子が付き合うくらいなら、たいした付き合いじゃないでしょ?なんて言われて、俺、ちょっとむかついて」

 え~~。そんなこと言って来るんだ。たいした付き合いじゃないって、どういうこと?

「桃子ちゃんとは絶対に別れるつもりもないし、他の子、好きになることもないし、それが桜さんでもそうだし、すげえ、大事な存在なんだって、思いっきり言ってやった」

「……」

 え?


 今、何気にすごいことを聖君、言ってなかった?

「それで、ますます、桃子ちゃんに会いたいってなっちゃったわけ。聖君をそんなに夢中にさせるなんて、どんな子よって。で、多分、納得したと思う」

「納得?」

「さっきの桜さんの反応。これじゃ、わかるわってそんな感じだったから」

「???」

「だから、桃子ちゃん、すげえ可愛いから、太刀打ちできないわくらいに、思ったと思うけど?」

「ええええ?」

「あはは。そんなにびっくりしないでも」

  

 れいんどろっぷすに着き、お店に入ると、誰もいなくてガランとしていた。

「店、暑いでしょ。なんか冷たいもの持って、俺の部屋行こう。さっき出る前にエアコンつけてあるから、涼しいよ」

「うん」

 聖君の部屋…。なんだか、照れるというか、緊張する。


「みんないないの?」

「うん」

「クロも?」

「杏樹が連れてった。こっちに置いていったら、俺、塾あるし、クロ一人になって可哀想ってさ」

「え?」

「それに、一週間クロに会えないのは寂しいって。俺も寂しいんだけど、まあ、クロだけ家に残して塾に行くのも、俺も気が引けるし」


「一週間?」

「あれ?俺言ってなかったっけ?父さんと母さんと杏樹、今日から伊豆に行ってるよ」

「え?!」

「俺は塾があるから残った。杏樹は、桃子ちゃんも一緒に行きたかったってずっと言ってた。母さんに、来年なら一緒に行けるわよって、そう言われてあきらめたけど」

「来年?」

「うん、来年なら、俺も行けると思うし、桃子ちゃんも行こうね!あ、去年の秋に、今年の夏には行こうって言ってたのに、ごめんね」

「……。覚えてたの?」

「そりゃあ」

「あの時、今頃、聖君の彼女でいられるかなって、そんなことも思ってて」


「あはは。そんなこと言ってたっけね。でも、今でも彼女でいるじゃん。それに今でも、俺らバカップルだし」

「……うん」

「桃子ちゃんは、アイスティーでいい?」

「うん」

「じゃ、2階に行こう」

「うん」


 聖君のあとをついて、2階に上がりながら、私はやっとこ今の状況をのみ込むことが出来た。

 あれれ。じゃあ、この家に聖君と、二人きり…?!

 ボボッ!!!いきなり、顔から火が出たみたいに、熱くなった。


 聖君がドアを開け、私が入るのを待っている。

 ああ、私の頭の中では、菜摘の友達が言ってたことがぐるぐると回っている。

「半年も付き合ってたら、そんなこともあるよ」

 そんなこと…。ま、まさかね。

 頭の中がグルグルで、気が遠くなりそうになりながら、私は聖君の部屋に入った。




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