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第三話 分針の変化

「アクリス、デミヒューマン。よくやった。アクリスは相変わらずのやり方だな」

「失敗した時はこの方法じゃなかった。だからミスったんだ。それに今回はデミヒューマンの動きも良かった」

「しばらく任務はないだろう。ゆっくりするといい」


10月14日

OAS(米州機構)…


「何!?キューバに軍事基地!?」

「はい。ソ連のミサイル基地です」

「核弾頭の可能性もあるのではないか!?」

「今すぐ撤去させるべきだ!」

「海上封鎖だ!今すぐだ!東側の奴らを一切断固立ち入らせるな!」


1962年。キューバでミサイル基地をアメリカ軍が発見。海上封鎖で基地撤去をソ連に要請した。これが、核戦争寸前、世界終末時計1分前と言われたキューバ危機の始まりである。

この動きは直ぐにニヴルヘイムにも伝わった。


「海上封鎖?キューバでか?」

<はい。ミサイル基地があったそうで…>

「分かった。緊急会議を始める。おいケルベロス!エージェントを全員集めろ。基地内だけで構わない!」


非常呼集の警報が鳴り、エージェントが走って次々作戦会議室に向かう。


「デミヒューマン!行くぞ!」


「よく集まってくれた。現在、キューバにミサイル基地が発見されアメリカ軍が海上封鎖を行おうとしている。このミサイル基地はアメリカ本土を攻撃可能。ソ連を刺激すれば核を発射するかもしれん。直ちに作戦を計画する。これはボスからのご命令だ!」

こうして作戦会議をしている間にも実態は悪化していった。ソ連指導者フルシチョフ書記長がケネディ大統領に10通もの手紙を送ったのである。内容は海上封鎖は国際法違反であると。国連でも会議が開かれ、ソ連によるキューバのミサイル基地設置を批難した。

キューバではキューバ人達が武装をし、対空兵器を構えた。これがたった初日で起こったのである。


「キューバ派遣班はダークエルフ、ヤクルス、カラドリオス、タッツェルヴルムの4名とする。アメリカ政府派遣班はシーサー、ティーターンの2名。海上封鎖監視班はヤオフー、アンズー、アポピスの3名。緊急事態に備え、予備班はアクリス、デミヒューマンの2名とする。全体の指揮は私ことトートが取るが、予備班に関してはニヴルヘイム3代目ボスであるユミルが特別に取る。以上。各自配置につけ!」


ミサイル基地発見から2日目。遂にアメリカ軍による海上封鎖が始まった。他の西側諸国の軍人も集め封鎖させており、おかげでソ連は船でミサイルを大量に運んでいることが発覚。米ソは察しており、"全面核戦争になる"という予感が走った。当時の世界情勢は核戦争がいつ起きてもおかしくなく、この時点でキューバ危機が起きたのは二度目。第一次キューバ危機と呼ばれたピッグス湾事件というキューバ危機へ繋がる事件もあった。また、東西ドイツでも脱走者が現れたりと、冷戦の最盛期だったのである。

国連はソ連によるミサイル運搬の中止とアメリカの海上封鎖中止を求めたが、ミサイル運搬中止は否決され、海上封鎖も続くことになる。

次の日、フルシチョフはアメリカとの危険性を考えるが、事態は最悪の方面に向かう。


「予備班ねぇ…」

「アクリス先輩。わたしたちどーするの?」

「お留守番だよ」

「ふーん。わかった。わたしいい子にお留守番する!」


予備班とは、やはり9年の差は大きいか。

ドアを誰かがノックし、開ける。


「2人とも。来てくれるか」


開けた人物はトートだった。


キューバ周辺では、大量の米ソの偵察機、艦艇が配備され、事態は一刻を争った。


「あのU-2を監視しろ。24時間体制でな。絶対に目を離すなよ」


ソ連の偵察機がU-2偵察機を見張る。


「こちらヤオフー。艦艇と偵察機の数が増えまくってる」

<こちらアンズー。こっちもだ>

<アポピスの方も。キューバじゃ軍隊が睨んでるよ>


キューバの方を見ると、キューバ軍が戦闘準備を進めているのが見えた。

これが数日間続いた。まさに死の淵を彷徨っているかのような感覚となった。

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