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月が綺麗だね



 月に一度、満月の夜。私は缶ジュースを持ってベランダに出る。

 缶ジュースを開けると一口飲み、手すりに左手をつくと夜空を見上げた。


ーーガラガラガラ


 来た。

 隣の部屋のベランダの窓が開く音がする。

 出てきたのは缶ビールを持ち、お風呂上がりなのか少し湿った髪にスウェット姿のお隣の彼。

 満月の夜に必ずベランダに出て夜空を見上げている。


「こんばんは」


 私は少し身を乗りだし隣の彼に挨拶をする。


「こんばんは、美月ちゃん」


 いつもと同じようにふわりと笑う彼に、私は火照った顔を見られないよう夜空を見上げる。


 彼も缶を開け一口飲むと手すりに左手をついて夜空を見上げる。


 そして私の方をチラッと見るといつもの言葉を囁く。


「月が、綺麗だね」


 そして私はいつものように相づちをうつ。


「そうですね」


 私たちはいつものように夜空を見上げる。

 今日は、雲に隠れて月は見えていないのに。



 

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