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うなじ



ーーシュルシュルシュル

 

「はっ? え??」


 自習中、後ろの席の森野が急に私の髪を結んでいたヘアゴムを取ってきた。


 急いで振り向くとなぜか森野が驚いた顔をしている。驚いているのはこっちだ。


「ご、ごめん」


「なに?」


「いや、なんでもない。なんでもない」


 森野は手に持ったヘアゴムを返してくる。私はそれを受けとると前を向いた。

 一体なんだったのか。森野の謎の行動に困惑しながらも手櫛で髪を纏め、ヘアゴムを通して結んでいく。


ーーゴンッ


「え?」


 大きな音がしてまた後ろを振り向くと森野が机におでこを打ち付けていた。


「なに? 一体どうしたの?」


「あのさ、髪、結ぶの止めない?」


「なんで?」


 夏の初め、少し汗ばむ首元が鬱陶しくなり髪を結んでいた。

 

「いや、その……」


「なに?」


「うなじに……触りたくなるんだ」


 森野は目線をそらし顔を赤らめそう言った。


「ふーん」


 私は前を向くと髪を結ぶ。さっきまでの下の方で緩く結んだ髪型ではなく、後頭部より少し上のポニーテールにして。

 


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