クズ共は特別任務へ 第12話
「なんで俺がこんな目に……」
四畳半くらいの広さの檻の中。
黒水が懲罰房で正座されてからそろそろ一時間が経とうとしていた。
黒水の足は痛みを通り越して感覚をすでに失っていた。
「これも全部あいつのせいだっ……!」
黒水は奏の憎たらしい笑顔を思い浮かべる。
そうだ。
女子寮に入ったことだって、わけのわからない特訓で貢献ポイントが下がっていることだって、そもそもゴミ箱に投獄されたことだって――。
全部、降魔奏という女のせいなのだ。
そばにある土壁を殴ろうとしたが、見張りのシモンに委縮してそれもできない。
正座する時間、黒水は奏に対する苛立ちを募らせていた。
「ゲラウト!!」
ついに、シモンによって檻についた扉が開けられ、黒水は正座から解放された。
「畜生……。全然立ち上がれねえ」
壁を支えにしてやっと立ち上げれたと思えば、生まれたての小鹿のように膝が笑っていてなかなか前に進めない。
「マジで覚えてろよ、降魔奏ぇ!」
黒水の怒りの叫びが地下空間に虚しく響き渡った。
「あらぁ?遅かったじゃない?初めての懲罰房は楽しめたかしら?オーホッホッホ!」
「なんでよりによってお前なんだよ……」
黒水はよりにもよって一番会いたくない奏と最初に出会ってしまった。
「何呆けた顔してるのよ?アホ面やめて、はやく特訓はじめるわよ!」
奏は踵を返して牢獄のほうに向かった。
「おい」
「何よ?まさか私に口答えかしら?」
振り返った奏に、黒水は体が痙攣するくらい拳を握りしめた。
そして、黒水の怒りは限界に達し――。
ドンッ、と――。
廊下の壁に、拳を振りかざした。
「一体何なんだよお前!俺のことわかっている感じ出して、わけわかんねえ特訓させたり、行動を制限したり――!結局俺の貢献ポイント落として、陥れているだけじゃねえか!」
募らせてきた怒りを言葉に乗せて捲し立てた。。
すると奏は黒水に近づき、壁のほうに追い詰めた。
奏は黒水に対して壁ドンする形になっている。
そして黒水にグッと顔を近づけ、奏は口を開いた。
「私はあんたのこと、あんた以上に知ってるのよ――」
黒水は奏の猫のような丸い目に吸い込まれそうになる感覚になった。




